イタリアの経済状態が良くないユーロ圏、イギリスの次はイタリア問題発生か?

イタリアの経済状態が良くないユーロ圏、イギリスの次はイタリア問題発生か?

イギリスがEU離脱でモタモタしている中、イタリア経済が悪化しています。イギリスの問題が片付いた後、ユーロ加盟国においてイタリア問題が浮上する可能性があります。

今後のイタリアの状況が注目されます。

Italy

ブリグジット騒動の影でイタリア経済が悪化

ユーロ加盟国はイギリスのEU離脱騒動にいつまでも付き合わされる格好となっており、早くイギリスにEUから出て行って欲しい、との心情に陥っているようです。

しかしイギリスが去った後のユーロ加盟国で、第3位の経済規模を誇るイタリアの経済が悪化しつつあります。3月23日に中国・習近平国家主席がイタリアを訪問し、両国は一帯一路に参加する覚書に署名。主要7ヶ国(G7)として、イタリアは初の参加となりました。(尚、EU加盟国では既にポルトガル、ギリシャが中国と一帯一路の覚書を締結済み)

世界的に中国への危機感が台頭しつつある中で、イタリアの中国に対する前のめりの姿勢は、先進国の中で際立っています。

イタリアは一足先にリセッション入り

欧州ではドイツ、イギリスと景気後退の足音が聞こえる中、イタリアは一足先に不景気=リセッション入りが経済指標から明らかです。

イタリア:景気の落ち込み、広範に広がる-サービス業PMIが50割れ(ブルームバーグ)

ドイツの経済指標悪化も報道されていますが、ドイツは一部の経済指標悪化のため、議論の余地も残されており、またリセッションという程の状況ではありません・

イタリアでは他のユーロ加盟国に先駆けリセッション入りしたことで、国民から景気対策が求められる状況です。しかしイタリア政府に財政的な余力はなく、また国債等の発行もEUの規制の下で好き勝手にできません。

そこで出現したのが、中国の一帯一路構想にともなう中国からの投資受け入れ、と考えると、イタリアの中国に対する前のめりの姿勢を理解することができます。またEU加盟国で中国と一帯一路に参加する覚書に署名しているのがポルトガル、ギリシャといった過去経済危機に陥った国であることを考えると、イタリアの懐事情の厳しさもうかがえます。

イタリア国債の金利が上昇中

イタリアの景気悪化を受けて、既に債券市場ではイタリア国債が売られています。ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガルと比べても、イタリアの利回り上昇(債券は売られると金利が上昇する)は顕著です。

3月28日(木)午前時点の各国の2年国債の利回りは下記となっています。

・イタリア 0.41%

・ギリシャ 1.93%

・ポルトガル ▲0.28%

・ドイツ ▲0.60%

・フランス ▲0.54%

・スペイン ▲0.29%

ドイツ、フランス、スペインはマイナス金利の一方で、イタリアの金利はギリシャ程高くはありませんが、ポルトガルを上回る状態です。

ブリグジット問題の次のテーマはイタリア問題か?

イタリアは現在ポリュリズム政党が政権を掌握しており、EUの意見が通りにくい状況にあります。そんな中での景気悪化であり、イタリアでは景気対策の名の下に放漫財政が始まる可能性があります。

EUにとって目下はイギリスのEU離脱が最大の課題ですが、次はイタリア問題が浮上しつつあります。EUもイギリスの離脱により、イギリスという財政基盤を失います。よって合意ある離脱をイギリスが行い、5兆円以上の手切れ金を手にした上での離脱を本心では望んでいます。

そしてイギリスの抜けた後、EUはドイツ・フランス・イタリアが3大国となります。しかしスタート地点から3大国の一角イタリアで問題が生じ始めています。EUから出て行くイギリスだけでなく、実はEU側もブリグジットの後に面倒を抱える形で、新生EUがスタートします。

現在のリセッションの状況から、イタリア経済が早期に回復に向かえば、それほどイタリア問題は大きくなることはありません。ただしこの10年、EUでイタリアが問題となることは度々浮上しており、再度イタリア問題が浮上する可能性は充分あります。

今後のイタリアの状況について、充分注意する必要がありそうです。

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