19円の攻防が続くトルコリラ、政府の強硬策により下落が止まる

19円の攻防が続くトルコリラ、政府の強硬策により下落が止まる

19円の攻防が続くトルコリラ、政府の強硬策により下落が止まる

日本人の個人投資家に人気のトルコリラ/円が不安定な値動きを見せています。背景としては、トルコリラ安を受けてトルコ政府の取った強硬措置があります。

緊急避難的な側面のあるトルコ政府の措置ですが、今後のトルコリラの波乱要因となる可能性もあります。

トルコリラが急落後に急騰

政策金利が24.0%であり、買いのポジションを持つだけで高い金利収入が得られるトルコリラは、日本の個人投資家に人気の通貨です。そんなトルコリラが不安定な値動きを見せています。

・トルコリラ/円の日足チャート

昨年8月のトルコリラショック時に15円まで下落したトルコリラ/円ですが、その後は上昇。現在は19~21円台のレンジ相場の中にあります。トルコリラショックの際に退場を迫られた投資家も発生しましたが、その後の上昇とレンジ相場入りで、再びトルコリラに対するスワップ投資を行う投資家も増加しているようです。

しかしトルコリラ/円は3月22日に18円台に急落。そのまま下落するかにも見えましたが、翌日・翌々日と大幅な上昇を見せ20円台を回復。ただしその翌日の28日には、再び19円台に下落するなど、不安定な値動きを見せています。

トルコ・エルドアン大統領が国内銀行に対してトルコリラの海外融機関への貸し出しを禁止

売り崩されるかに見えたトルコリラの下落でしたが、トルコ・エルドアン大統領が国内の銀行に対して、海外の金融機関に対するトルコリラの貸し出し禁止という強硬措置を取りました。その結果、ファンド等はトルコリラが調達できず売り注文ができない状況となり、トルコリラは上昇しました。

トルコは3月31日に総選挙を控えており、選挙前の通貨混乱をトルコ政府は封じ込めた形ですが、金融市場を強制的に封じ込める政策は必ずひずみが生じます。尚、トルコリラの貸し出し規制は、選挙の後に解消される可能性があります。

トルコリラの下落は、トルコ経済の悪化を背景とする通貨安の側面もあります。よって19~21円台のレンジ相場にあるトルコリラ/円ですが、仕掛け等の値動きがなくとも今後徐々に下落する可能性があります。

新興国独特の政治リスク

今回のトルコ政府の強硬措置は新興国独特の政治リスクといえます。確かにトルコリラのスワップ投資家としては、トルコリラの大幅安は望ましい事態ではありません。その意味では、トルコ政府と日本の個人投資家はトルコリラに対して利害が一致している状態です。

ただし国家が金融市場と喧嘩する場合、イギリスとジョージソロスの対決を見るまでもなく、国家が敗北するケースが殆どです。

今回は選挙前の緊急避難措置という側面もありますが、現在の措置の解除後のトルコリラ急落リスクを、逆に抱えている可能性もあります。

投資家にとってプラスに働いている今回の措置ですが、政府による市場介入リスクの存在を再認識できる出来事ではないでしょうか。

まとめ

まずは選挙の結果次第の面はあるものの、トルコリラはトルコ経済の悪化もあり、足元は不安定な状態です。よって現在19~21円台のレンジ相場にあるトルコリラは、理由は何であり、レンジを下に抜ける可能性があります。

スワップ投資先の代表格であるトルコリラは、確かに政策金利24.0%という高金利通貨です。しかし高い金利の裏側には高いリスクがある、という点も充分に認識する必要があります。

今後トルコリラ安の際は買い増しのチャンスという側面もありますが、昨年のトルコリラショック時の18円台の底が抜けるリスクもあります。

市場に対する強硬策が功を奏した形のトルコリラですが、4月以降その反動が生じるリスクがあるため、その反動には充分な注意が必要はないでしょうか。

市況カテゴリの最新記事