イギリスのEU離脱が10月末まで再度延期に、5月の欧州議会選の対応に注目

イギリスのEU離脱が10月末まで再度延期に、5月の欧州議会選の対応に注目
Brexit
TheDigitalArtist / Pixabay

EUがイギリスの離脱について、10月まで再延期することを承認しました。イギリス、EUの双方ともに合意なき離脱を避ける方針で一致していますが、イギリス側の迷走が継続中です。

メイ首相はまず5月中に離脱法案の議会可決を目指す方針であり、当面イギリスの状況から目が離すことができません。

また5月23日に欧州議会選挙を控えており、イギリスが同選挙に参加するか、その対応が注目されます。

EU側がイギリスの離脱の延期を10月末まで認める

当初1年の再延期が予想されたイギリスのEU離脱ですが、土壇場でフランスが長期延期に反対姿勢を取り、現行のEU首脳の任期でもある10月末まで、6ヶ月の再延期がEU側で決定しました。

既に合意なき離脱の可能性は低い状況にありましたが、それでも時間切れで突発的に合意なき離脱となるリスクが存在した中、改めて半年の時間的な余裕を設け離脱交渉が進みます。

イギリスの欧州議会選挙への参加が焦点

今後EUは政治の季節を迎えます。EUでは欧州議会選挙が5月23日から行われますが、イギリスはEU離脱の半年間の延期のためには欧州議会選挙に参加する必要があります。これまでイギリスはEU離脱を前提に、欧州議会選挙への参加は予定していませんでした。ただしイギリスが欧州議会選挙に不参加の場合、10月末までの延期期間の設定はあっても、6月1日に自動的に合意なき離脱となります。

メイ首相は5月中のEU離脱法案成立を行い、欧州議会選挙に参加することなくEU離脱を目指す方針です。しかしこれまでイギリス議会はことごとくメイ首相のEU離脱案を拒否しており、1~2か月の時間の経過で状況が変化することは難しいと考えられます。

ただしメイ首相は、欧州議会選挙への参加判断より先に、欧州議会選挙の前日の5月22日までに、議会でのEU離脱案の可決を目指す方針です。ベストシナリオでは、欧州議会選挙への参加なしに、6月1日に合意あるEU離脱となる可能性はあります。

ただしメイ首相の保守党は、欧州議会選挙に備え立候補者の受付を開始した、と報じられており、5月中にEU離脱法案が可決できない場合の備えも始められています。

良くも悪くも動かないポンド

イギリス側は今後の経済発展余地確保のため、EU側は手切れ金受け取りのため、基本的に合意なき離脱はない、というのが金融市場の見方です。イギリスのEU離脱について、10月までの再延期が認められましたが、金融市場は織り込み済みとのスタンスです。

実際にGBP/USDの値動きは普段通りとなりました。またEU離脱を巡りイギリス側が迷走していますが、GBP/USDは落ちついた値動きを見せています。

4時間足チャートで見るとペナントを形成しつつあるため、次の値動きに向けたエネルギーを蓄積している状態とも考えられます。

・GBP/USD4時間足チャート

GBP/USDの状態を見る限りでは、今回のEU離脱再延長は実質的な意味を持たず、イギリスが合意ある離脱の道を歩むことが確実になるか、合意なき離脱に進むのか、方向性が決まらなければGBP/USDは動かない、と考えることができます。

まとめ

6ヶ月の再延長で、目先は突発的にイギリスが合意なき離脱となるリスクはなくなりました。しかし欧州議会選挙が控えており、5月中にイギリス議会で離脱案の可決ができなければ、最悪その時点で合意なき離脱となるリスクは残ります。

今後はメイ首相が目指す5月中に合意案が議会で可決できるのか、可決の目途が立たない場合は、イギリスは欧州議会選挙に参加するのか、という点がポイントとなります、

6ヶ月の再延長は決まったとはいえ、少なくとも5月後半まではイギリス内のEU離脱を巡る議論の行方に注目せざるを得ない状況が続きます。

以上

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