今年の株式相場を振り返る(米国)

今年の株式相場を振り返る(米国)

ドル

018年の世界経済は比較的堅調に推移したといえますが、その中でとくに目立ったのが、米国経済の良好なパフォーマンスでした。

 

一方で、中国との貿易摩擦はときに激しく、アメリカと中国の動向に世界全体が左右された1年ともいえるでしょう。

 

2018年の米国株式相場について、月を追って簡単にまとめました。2019年の見通しにも触れていますので、来年の参考にしてくださいね。

 

2018年 NYダウは堅調に推移

 

2018年のNYダウは、1月2日の24,823ドルから始まり、12月末には22,000ドル台で終わる見込みです。

 

最高値は10月3日の26,830ドル、最安値は12月24日の21,792ドルと、年末に波乱が起きる結果となりました。

 

株価の動向について、順を追って解説していきましょう。

2018年1月〜6月の出来事ーー米中貿易摩擦に世界が注目

 

2018年1月は、法人税減税など税制改革への期待感が高まり、NYダウなどの主要指数が揃って史上最高値を更新しました。景気拡大を示す指標の公表も相次ぎ、長期金利も上昇したこともその一因でしょう。

 

順調にいくと思いきや、2月にアメリカ経済は減速します。そのきっかけは雇用統計の発表です。市場の予測を上回る良い結果でしたが、これが利上げ予測を呼び、結果的に株価を急落させてしまいました。

 

3月は、対中制裁措置の発動やトランプ政権に対する不透明感の高まりから、株価が不安定に動きます。しかし4月には米中貿易摩擦の懸念が後退し、石油セクターの上昇も影響して若干の回復傾向となりました。

 

5月は半導体セクターの業績が良好だったため株価が上昇しましたが、月半ばからは南欧の政局不安が足かせとなって、上げ幅を縮めます。

 

2018年前半の政治的ハイライトは、6月12日に実現した米朝首脳会談でしょう。開催前は期待感から株価が上昇したものの、会談後はその後の動向を注視する動きが目立ち、その影響は限定的でした。

 

また、6月18日にトランプ大統領が中国に対して関税引き上げを示唆する動きを見せたため、株価は続落。その後の景気動向の重荷となりました。

2018年7月〜12月の出来事ーートランプ政権の動向に不安視

 

7月・8月は、中国への追加関税導入やトルコ情勢の緊迫化など不安材料はあったものの、ハイテク企業を中心とした好業績が目立って株価は上昇。9月には米中摩擦の警戒感が後退したことで、21日にはNYダウ・S&P500種指数ともに史上最高値を更新しました。

 

10月には、良好な景気指標の発表により長期金利が上昇した影響で、9日から11日の3日間で1,400ドル近く株価が下落します。しかし11月は、中間選挙の結果がおおむね予想通りだったことや、米中首脳会談への期待感から株価は上昇。12月1日には米中首脳会談が開かれ、3日の株価は25,826ドルまで回復しました。

 

しかし同日、トランプ大統領が「会談から90日後に延長がなければ交渉は終わる」などとツイッター投稿したことから米中摩擦が再燃、翌日に主要3指数がすべて大幅下落。

 

6日には、中国企業ファーウェイの副会長がカナダで逮捕され、これがアメリカの要請だったと見られることから、米中摩擦の激化が懸念されて株価は一時780ドル以上も値下がりしました。

 

副会長を保釈したことで緊張は緩和されましたが、米財務長官が大手金融機関に対して資産状況などを確認したことによって、金融システムリスクに注目が集まります。さらに、トランプ大統領の側近の相次ぐ辞職から政権崩壊が不安視され、24日のクリスマスイブに今年の最安値を更新しました。

 

IMFによれば、2018年のアメリカの実質経済成長率は2.9%と、先進国の平均値である2.4%を大きく上回っています。アメリカ経済自体は堅調な成長をしているといえるでしょう。

 

しかし米中摩擦やトランプ政権の存続が不安視されているため、株価は冴えない動きで年内を終える見込みです。

 

2019年 アメリカ株式市場の見通しとは

 

アメリカ株式市場を判断する際に重要なのは、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策と企業の業績です。

 

最近のFRBは金利を緩やかに引き上げており、この流れは市場に織り込み済みです。また、米国企業の大半が高い利益を上げている状況は続いているので、アメリカ経済の強さは今後も続くとみられます。よって、株価は堅調に上昇していくと期待できるでしょう。

 

一方で、トランプ政権の不安定さや米中貿易摩擦の激化によって、株価は大きく変動する可能性は否めません。引き続き注視する必要があります。

 

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