乗り遅れ厳禁!中国の切り札「レアアース」を巡る争奪戦が熱い!
米中貿易戦争が激化する中、中国がレアアースの輸出を制限する可能性があるとして大きな話題になりました。
2010年には中国が対日輸出規制を発表し、そのときにレアアースという言葉を知った人も多いと思います。
レアアースとは?
レアメタルの一種で、埋蔵量が極めて少ない資源です。
ハイブリッド車や電気自動車に使われるモーター用永久磁石(ネオジム)の材料として近年、需要が高まっており、今後も高い需要が見込まれる資源です。
レアアースの7割は中国産
希少な資源であるレアアースなので原産国は少なく、世界シェアの7割が中国となっています。
そのため、たびたび外交カードとして使われることがありましたが、中国の輸出規制について日米欧がWTOに提訴し、中国は敗訴、輸出枠を撤廃したという過去もあります。
中国への信頼は失墜・・・対策を迫られた企業の決断は?
撤廃されたとはいえ、中国の輸出規制は安定供給を求める企業にとって大きな打撃であり、供給元としての信頼を大きく失墜させるものでした。
とはいえ変わりの取引国があるわけでもなく、困った企業がうった手は使用するレアアースの使用量を減らす技術の開発でした。
中国依存脱却!世界中が自国での採掘を開始!そして意外な事実も・・・?
中国の輸出制限は日本だけでなく世界中に方針転換させるきっかけとなりました。
外交カードとして使用されることに嫌気が差した国が自国で採掘をはじめ、自前で用意するようになりました。
そしてなぜ中国のレアアースが安いのかという理由も判明しました。
その理由とは中国のレアアースにおける安全基準の低さです。
労働者保護や取扱基準の低さが低価格の理由だった!?
レアアースには放射能物質のトリウムが含まれているため、取扱や保管、後処理にコストがかかり、レアアースの価格自体が高くなってしまいます。
しかし中国ではこの取扱の基準が低く、他国ほどコストが掛からないため安く大量に採取できていたわけです。
これは独裁国の中国だからできる芸当で、仮に日本が行えば訴訟の嵐になっていたことは間違いありません。
数百年分のレアアース発見か!?
レアアースの使用量を減らす試みが試される中、日本の南鳥島沖で数百年分のレアアースがみつかったという報道がありました。
記事が出たのは2018年の話ですが、中国依存からの脱却を図る日本は海底にあるこのレアアースを発掘するため様々な企業が掘削船の開発や関連技術の研究を現在でも行っています。
レアアース関連銘柄
レアアース関連銘柄の一例です。
1662 石油資源
6297 鉱研工業
2768 双日
3036 アルコニクス
8053 住友商
etc…
レアアースも希少とはいえ天然資源なので、すでに天然資源の採掘や取引を行っている企業などノウハウを持っている企業に期待が集まっているようです。
海外との共同開発の話もありますが、国家戦略の一つでもあるため、国の支援も期待ができ、発掘が実現すれば中国依存の脱却だけでなく貿易や商品開発でも優位に立てることは間違いないので、まさに一攫千金を狙えるテーマとなっています。