追いつめられるメイ首相、1月15日以降は何が起こるか分からないイギリスのEU離脱問題

追いつめられるメイ首相、1月15日以降は何が起こるか分からないイギリスのEU離脱問題

Brexit

1月15日にイギリス下院でEU離脱法案の採決が行われる予定です。しかし法案可決の見込みは少なく、これまで懸念されていた合意なき離脱=ハードブリグジットの可能性が浮上しています。

イギリスに何が起こるか分からない1月15日以降、少なくとも状況が落ち着くまでは、ポンド(GBP)の取引は見送るのがよさそうです。

イギリス下院でEU離脱法案が1月15日に採決予定

2016年に国民投票で決定したイギリスのEU離脱。2019年3月29日の離脱日が迫る中、どのような形でEUを離脱するかの決定が、最終段階を迎えています。

イギリス政府とEUが合意したEU離脱案について、イギリス下院は1月15日に採決を予定しています。しかしながらメイ政権がEUと合意した離脱案について、イギリス国内では支持が広がっていません。保守党メイ政権は、閣外協力をしているDUP(民主統一党)の反対に加え、与党内にも多くの造反議員を抱え、少なくともメイ首相が提案しているEU離脱案が可決される見込みは非常に低い状態です。

場合によっては合意なき離脱の可能性も

国民投票でEU離脱決定後、イギリス経済界が政府に懇願していたのが、イギリスがEUと何の協定もなく離脱する、合意なき離脱の回避です。対EUとの貿易手続きの煩雑化に加え、人の移動にも大幅な手間がかかるようになり、また金融取引についても新たな制度の導入が迫られます。

3月29日のEU離脱日が動かない場合、イギリス下院でのEU離脱案否決→3月29日に合意なき離脱、との可能性が浮上しています。

EU離脱案の否決後は何があってもおかしくない

現行のEU離脱案の成立が難しい中、1月15日に予定されている下院での採決の後、どのような展開となるのかは、見通せない状況です。

EUとの再交渉、再度の国民投票、メイ首相の辞任及び総選挙、合意なき離脱等、様々なシナリオが予想されますが、何があってもおかしくありません。

当初は下院でのEU離脱案の否決後、政府は21日以内に代替案を出す決まりとなっていましたが、1月9日の下院での審議の結果、21日以内が3日以内に大幅な短縮となりました。

これによりメイ首相は更に選択肢が狭まるとともに、良くも悪くも下院での否決後の事態推移が、スピードアップすることになりました。

1月15日以降、イギリスは非常に速い状況変化が予想されます。

分からない時はポジションを持たないのが鉄則

EU離脱を巡りイギリス情勢が緊迫の度を増していますが、合意なき離脱の場合はポンドが25%下がる、とイギリス政府は分析しています。また1月15日の下院の採決以降、何が起こるか分からない中で、為替市場においてポンドが大きな変動を見せる可能性があります。

2016年のEU離脱を問うイギリスの国民投票時も、ポンドは非常に大きな値動きを見せました。1月15日以降は、日替わりでポンドが大きな値動きを見せる可能性があります。

イギリスのEU離脱について今後の展開が見えない中、特に考えなくポンドのポジションを持つのは非常に危険です。またボラティリティが高いからと、激しい変動の真っ最中に安直にポジションを取ると、一気に大きな損失につながる可能性もあります。

相場の行方が分からない時はポジションを持たずに様子見、が相場で生き残るための鉄則です。下院での採決が行われる1月15日、そしてその後状況の方向性が見えるまでは、少なくともポンドの取引は様子見とすることが、自らの投資資金を守ることになります。

まとめ

2019年最初の世界的な経済的イベントが、イギリスのEU離脱問題です。メイ政権のEU離脱案が支持されず下院での法案成立が見込めない中、最終的にどのような形で着地するのか、イギリス国内はもとよりEU側も全く予想ができない状況です。

1月15日の週はイギリス発の為替市場の混乱が発生する可能性があるため、為替のポジションは閉じて1週間は様子見とする、というくらいの余裕あるスタンスを取るのがよいのではないでしょうか。

以上

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