イギリス議会がEU離脱法案をWスコアで否決

イギリス議会がEU離脱法案をWスコアで否決

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イギリス議会がEU離脱法案をWスコアで否決、今後予想されるシナリオについて

3月15日にイギリス議会で行われたEU離脱法案は、賛成202・反対432とWスコアで否決されてしまいました。

今後イギリスはどのような方向に進むのか、いずれもまだ可能性の段階ですが、予想される展開を複数ピックアップしてみました。

イギリス議会がEU離脱法案を反対432、賛成202で否決

2016年の国民投票でEU離脱が決定したイギリスで、最終的にどのような形でEU離脱するかを決める、EU離脱法案の議決が1月15日に行われました。

メイ首相がEU側と交渉してまとめたEU離脱案ですが、EU離脱賛成派・反対派のいずれの支持も得られず、議決前からEU離脱法案の否決が予想されていました。そして賛成と反対の票差に注目が集まる展開に。

いざ蓋を開けてみれば、賛成202・反対432というWスコアで反対が圧倒する結果が出ました。メイ首相がまとめたEU離脱案が完全否定され、今後イギリスがどのような形でEUを離脱するのか、先が見えない状況となっています。

3月29日の離脱に向けてイギリス政府及び国民自体が、今後の推移について予想できない状況ですが、今後考えられるシナリオが下記となります。

①合意なき離脱=ハードブリグジット

離脱強硬派が主張しているのが、EUとの合意なしで離脱するハードブリグジット案です。EUとの関係をゼロベースで再構築する必要があるため、入国手続き・関税手続き等、全てEUとは異なる国、という前提で物事が進むことになります。

これまでEU加盟国として国境の制約なく活動してきた経済界が最も避けたい、と考えているのが合意なき離脱となります。合意なき離脱の強硬派の存在感は高いものの、一方で合意なき離脱の場合の経済的なダメージから、国民の支持が全体的に広がっているとは言えないのが合意なき離脱です。

②再度の国民投票

イギリス国内で俄かに支持が広がり始めているのが、再度国民投票を行う案です。ここまでもつれてしまったEU離脱について、最終判断を再度国民に仰ぐということになります。

しかしながら準備に半年程度の時間がかかるという時間的制約に加え、どのような選択肢とするか、という問題もあります。賛成・反対の二択とするか、賛成・現行のEU離脱案に賛成・合意なき離脱案に賛成、の三択にするかで、結果が大きく変わる可能性があります。

③EU側と再交渉

当初はEU側も3月29日の離脱の延期は無く、再交渉の余地はない、というスタンスでした。しかしながらイギリス議会でのWスコアでの離脱案否決を受け、EU側もスタンスを変える可能性があります。

EU側としては5月に重要な欧州議会選挙を控えているものの、2~3ヶ月程度なら離脱日の延期に加えて離脱案修正交渉の余地もあります。離脱日及び離脱案の修正は、EUの全加盟国の賛成が必要ですが、再交渉の可能性は存在すると言えるでしょう。

総選挙及びメイ首相退陣の可能性も

かねてより野党労働党は解散総選挙を主張しています。EU離脱法案が大差で否決されたことにより、解散総選挙の可能性も生じています。

しかしながら世論調査では、政党としては労働党より保守党に支持が集まっており、総選挙を機会にメイ首相の退陣は生じても政権交代の可能性は低いと考えられます。

また総選挙の有無にかかわらずメイ首相が退陣する可能性もあります。総選挙及びメイ首相の退陣の有無はイギリスの国内事情ですが、EU離脱日の延期がなされれば再交渉までの時間が確保でき、イギリス国内の再結束が可能となります。

まとめ

いずれにしても上記は全て可能性の話であり、今後イギリスがどのような方向に進むのか読めない状態です。また政府は今後の方針を1月21日(月)までに、議会に報告する必要があるため、来週早々にも再度山場が到来します。

イギリス国内ではメイ首相の退陣・総選挙・国民投票の有無に注目が集まります。またEU側の動きとしては、離脱日である3月29日を延期する動きが生じるのか、という点が注目されます。

イギリスのEU離脱騒動はまだ継続しており、為替市場に今後も影響を与える可能性が高いと言えます。今後も随時状況はフォローが必要となりそうです。

                                                          以上

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