EU離脱についてイギリスとEUの交渉が再開へ、合意なき離脱のリスクが浮上する

EU離脱についてイギリスとEUの交渉が再開へ、合意なき離脱のリスクが浮上する

EU離脱についてイギリスとEUの交渉が再開へ、合意なき離脱のリスクが浮上する

2月からイギリスのEU離脱の再交渉が、EU側と行われます。3月29日のEU離脱延期はしない、と退路を断ったイギリス。しかしアイルランドは、現行の離脱案の修正に大反対しています。

交渉が立ち往生し、結果的に合意なき離脱となる可能性も生じる中、今後のイギリスとEUとの再交渉の行方が注目されます。

イギリス議会で新しいEU離脱方針が決定される

1月はイギリスのEU離脱を巡るニュースが多かったものの、振り返ればポンドはそれほど激しい値動きに見舞われませんでした。

1月29日にイギリス議会は、今後のEU離脱方針を決定しました。EU離脱賛成派、反対派のいずれの層からも支持を得られていない現行のEU離脱案の、アイルランド国境問題についてEUとの合意の修正を決定しました。1月の騒動はイギリス国内の問題であり、交渉相手のEUは静観姿勢を取っていました。イギリスのスタンスが決定したことで、今後は次の段階として、イギリスとEUの交渉ステージに移ります。

現行の離脱案の修正にアイルランドは反対

現行のイギリスEU離脱案は、イギリス領北アイルランドについてアイルランドと物理的な国境を設置しないことで合意しています。その反面で解決策が見つかるまでは、イギリス全体がEUの関税同盟に残る、という内容です。

今後イギリス政府はEUとの交渉で、アイルランドとの国境問題を再協議します。現行のイギリスのEU離脱案は、他のEU加盟国は既に賛成しています。ただし離脱案を修正する場合、再度EU全加盟国の賛成が必要です。

EUでは物事を決定する際は、基本的に全加盟国の賛成が必要となります。意思決定のスピード感に欠ける仕組みですが、加盟27カ国が統一した意思決定を行うための、必要不可欠な意思決定方法です。

そしてイギリスのEU離脱案の修正について、イギリスの隣国アイルランドは大反対しています。よって今後始まるEUとイギリスの再交渉は、アイルランドの反対で何も進まない可能性があります。

イギリス議会で今後の方針が決定したといっても、交渉は相手が合意して初めて効力を持ちます。EU側は、どうにか現行のEU離脱案は全加盟国で合意を得たものの、アイルランドの反対があり修正に応じる余地が殆ど無い状況です。アイルランドと直接関係ないEU首脳は、イギリスのEU離脱案修正について前向きな発言もあります。しかし修正の実現性を考えると、非常に厳しい状況にあると言わざるを得ません。

離脱延期の退路を断ったメイ首相

迷走するイギリスの状況を背景に、EU側は3月29日と決まっているイギリスのEU離脱日の延期自体はやむを得ない、という見方が広がっているようです。延期となっても合意できるかどうかは別問題ですが。

一方のイギリス議会は29日にEU離脱日の延期案を否決しており、イギリス側は3月29日のEU離脱に向けて退路を断った状態です。延期案の否決は、メイ首相による思い切った賭けも背景にありますが、EUとの交渉が進まなければ金融市場が織り込んでいる、合意なき離脱回避が一転し、合意なき離脱への道を進む可能性も生じます。

イギリス側も基本的に、合意なき離脱は避ける、という全体的な流れの中にあります。しかし離脱日の延期を否決し退路を断っており、若干ではあるもの合意なき離脱の可能性が高まっている状況です。

まとめ

2月からイギリスとEUの間で、EU離脱に向けた再交渉が開始されます。ただしアイルランドとの国境問題は、国民投票でイギリスがEU離脱を決定した後、双方で散々議論がなされて現行案に落ち着いた経緯があります。そもそも簡単に別の落とし所があれば、先にそちらを採用しています。よってアイルランドの反対もあり、今後の交渉は難航が予想されます。

EU離脱の延期をしない、と自らの退路を断ったイギリスは最終的にどのような形で3月29日のEU離脱日を迎えるのでしょうか。今後のイギリスとEUの交渉の行方に注目したいと思います。

以上

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