昨年秋からの安値を割れたEUR/USD、ECBの年内利上げ見送りが値動きの契機に

昨年秋からの安値を割れたEUR/USD、ECBの年内利上げ見送りが値動きの契機に

昨年秋からの安値を割れたEUR/USD、ECBの年内利上げ見送りが値動きの契機に

3月7日の欧州中央銀行(ECB)理事会は、年内の利上げ見送りを決定。その後のドラギ総裁の会見を経て、EUR/USDは大きく下落しました。そして昨年秋以来の安値を割れることになりました。

ECBの政策変更というファンダメンタル要因で下落したEUR/USDについて、現在の値位置を改めて確認致します。

ECB理事会後のドラギ総裁の発言でユーロが下落

ギリシャ問題に端を発するユーロ危機の際は、その発言が為替市場を揺らしたECB理事会後のドラギ総裁の会見ですが、最近はドラギ総裁の発言を受けても市場が動くことは殆どありません。

しかし3月7日に行われたECB理事会で、ECBは景気後退に入りつつあるユーロ圏に配慮し、年内の利上げ見送りに加えて、金融機関への資金供給措置の導入も決定。その後のドラギ総裁の会見を受けて、ユーロは大きく下落しました。

3月7日のEUR/USDの変動幅は約140pipsとなり、ギリシャ危機の際の変動率に比べれば大人しいものの、ドラギ総裁の会見でユーロが動いた一日となりました。

EUR/USDは昨年秋からの安値を割れる

ドラギ総裁の会見により下落したEUR/USDですが、1日の下落幅は約140pipsであり、値動き自体に驚くようなインパクトはありません。

・EUR/USD日足チャート

ただし3月7日の下落を受けて、EUR/USDは昨年秋からの安値を更新しました。EUR/USDは昨年秋頃よりレンジ相場を形成し、値動きのない通貨ペアとなっていましたが、ドラギ総裁の会見を機に、久しくない安値ブレイクが発生することになりました。

EUR/USDの値位置を月足から俯瞰する

昨年秋以降の安値を割れたEUR/USDですが、その値位置をまずは月足で確認致します。

・EUR/USD月足チャート

月足でEUR/USDを見ると、足元は下落トレンドにあります。しかし2015年~2016年間のサポート&レジスタンス(サポレジ)の上限に下落が止められている状態でもあります

今回安値を更新したEUR/USDですが、2015年~2016年のサポレジを割れこんで、更に下落が進むことになるのか、それとも安値は割れたもののこれまで通り、サポレジに下落が阻まれる値動きとなるのか、いずれになるのか注目されます。

次に週足を見てみましょう。週足チャートの直近の高値と安値にフィボナッチ・リトレースメントを引いたものが下記です。

・EUR/USD週足チャート

EUR/USDは今回の下落で、フィボナッチ・リトレースメント61.8%のラインに到達しました。リトレースメント61.8%は次の段階の76.4%に比べると、相場が反応するケースは少ないのですが、それでも相場が反転するケースがあります。また2017年5~6月に一旦相場が停滞した値位置にも重なるため、値動きに何らかの影響が生じる可能性もあります。

また日足では、これまでローソク足の下ヒゲで持ちこたえていた部分を、ローソク足の実体でカバーしており、相場は新たな展開を迎える可能性を示唆しています。

EUR/USDのボラティリティは戻るのか?

日足チャートからも明らかですが、EUR/USDは昨年は殆どレンジ相場内の値動きに留まりました。よってEUR/USD=値動きが無い通貨ペア、とのイメージが定着しています。

ボラティリティが消えた通貨ペアはEUR/USDに限りませんが、EUR/USDに特にその傾向があります。ボラティリティの無い2018年が終了し2019年は為替市場にボラティリティが戻る、との意見もありましたが、2019年は更にボラティリティが低くなっているのが現実です。

そんな中でEUR/USDは昨年秋からの安値を更新しており、今後ボラティリティ回復の契機となる可能性もあります。ECB理事会での金融政策変更を契機に、EUR/USDにボラティリティが戻るのか、という視点でも今後のEUR/USDの値動きが注目されます。

以上

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